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AEC-Q100って何ですか?

AEC-Q100

今回は車載向け半導体製品の信頼性試験規格のお話です

ある日、ベテラン社員の先輩Cさんのところに、入社2年目の新人Dさんが、困った顔してやってきました……

 

教えて先輩!シリーズ 第4回

  AEC-Q100って何ですか?

 

business_woman3_1_question+新人D
C先輩、AEC-Q100って何ですか?

icon_business_woman02先輩C
? どうしたの?

business_woman2_4_think+新人D
データシートに「AEC-Q100準拠」って書いてあるんです。ネット検索しても今ひとつちゃんとした説明が見つからないんです。

icon_business_woman02先輩C
ああ。それね。AEC-Q100というのはAutomotive Electronics Council という車載部品の規格を決める団体の製品認定試験規格のことよ。この規格に準拠していると「AEC-Q100準拠」とうたうことができるのよ。

business_woman1_4_ase新人D
はい、それぐらいは理解できたのですが。。。ただ規格の内容がよくわからないんです。英語も読めませんし。

AEC-Q101、AEC-Q200もある!

icon_business_woman02先輩C
うー。確かにね。英語の規格書とか各半導体メーカーから詳しい資料は提供されているんだけど品質保証の専門家向けだから私たちには難しいかな。ちなみに、AEC-Q100だけでなく、AEC-Q001からあるのよ。これは電子部品の信頼性試験に関する規格なんだけど、他によく聞くのはAEC-Q101、AEC-Q200 などかな。AEC-Q100は集積回路(IC)用の総合規格で、AEC-Q101はトランジスタやダイオードなどのディスクリート半導体、AEC-Q200は抵抗やコンデンサなどの受動部品用の規格なのよ。

AEC-Q100

business_woman2_1_idea+新人D
なるほど、信頼性試験の規格なんですね。日本だとJEITA(旧EIAJ)やアメリカならJEDECが定めた規格がありますけどそれとは違うんですか?

icon_business_woman02先輩C
基本的に同じなんだけどAutomotiveという名前のとおり車載用部品に特化したものなのよ。AEC-Q100の中には「ここはJEDECのXX規格を参照」とか書いてあるしね。もちろん、「AEC-Qxxx規格を参照」とも書いてあるのよ。
昔のクルマって電装部品が少なかったんだけど、今のクルマは電装部品の塊というぐらい多く使われているよね。クルマって寒いところから暑いところまで使われるし、振動はあるし、普通の民生品に比べると使用環境が過酷だからクルマメーカーがいろいろ特別な注文を部品メーカーにしたのね。でもクルマメーカーAのリクエストとクルマメーカーBのリクエストは微妙に違う、なんてこともあって規格化しようということになったらしいの。JEDEC規格は半導体・電子部品メーカーが集まって決めたものだけど、AEC-Q100はクルマメーカーと半導体・電子部品メーカーが一緒になってJEDEC規格をベースに決めたものなのよ

business_woman1_1_smile+新人D
なるほど。要は車載用部品の厳しい信頼性試験に合格しないとAEC-Q100準拠とうたえないのですね。
その試験自体はどんなものなんですか?

出荷検査と信頼性試験

icon_business_woman02先輩C
半導体部品とか電子部品はさまざまな試験をして合格品を出荷しているよね。信頼性試験って何かわかるかな?

business_woman1_1_smile+新人D
出荷検査はちゃんと動作するかをチェックしていて、信頼性試験は寿命試験ってことでしょうか?

icon_business_woman02先輩C
うーん。まあ、そうね。信頼性試験は製品寿命が期待どおり実現できているかを確認する試験なのよ。

business_woman1_1_smile+新人D
製品寿命ってどのくらいですか?

icon_business_woman02先輩C
基本的には10年間ね。

business_woman1_4_laugh+新人D
まあ、クルマって3年とか5年とかで買い替えますもんね。

icon_business_woman02先輩C
えっ!うちなんて10何年乗っているのに……

business_woman1_4_ase新人D
いえ、私はそもそもクルマを持っていないので……

icon_business_woman02先輩C
……。まあ、10年というのは実動期間なので実際の10年間ではないのよ。タクシーでも1日24時間走っていないよね。うちなんて週末しか運転しないし。1週間で2時間ぐらいかな(泣)。そういう意味では10年で十分なのよね。それでも加速試験で1,000時間とかかけて検査するのよ。

business_woman1_4_ase新人D
えっと、1,000時間も信頼性試験をかけるってことは中古品になっちゃいますよね。

icon_business_woman02先輩C
そうね。だから、全数検査ではなく抜き取りによる製品の認定試験なのよ。統計的に全数検査と同等の結果が得られるとわかっている数量を抜き取って検査するの。当然、「同等」っといっても100%ではないから、できる限り100%に近づけるためにサンプル数を増やすんだけれど、検査をしたサンプルは売り物にはならなくなるから何個抜き取るかは難しいよね。メーカー各社が好き勝手したら顧客は比較検討できなくなるし。だからJEDECとかAEC-Q100によって共通基準が定められているわけ。
AEC-Q100では試験サンプル数を77個とか45個とか試験ごとに定めているの。試験ロット数も3ロット必要だったりするのよ。

business_woman3_1_question+新人D
結構大変そうな試験ですね。1,000時間で3ロットだと3,000時間必要ってことか……。ぶっ続けでも4ケ月以上かかるんですね。もうちょっと具体的に教えていただけないでしょうか。

icon_business_woman02先輩C
うーん。AEC-Q100の規格書のテスト・フロー図を見てみようか?9ページだよ。
いっぱい「Test」って書かれているよね?「TEST GROUP」はそれぞれの信頼性試験項目を意味しているの。そして、@Roomというのが常温、@Hotが高温、@Coldというのが低温で、試験後に行う製品検査温度条件になるのよ。
例えば、PCはPreconditioningの略で実際の実装工程でかかるストレスを想定した前処理のこと、THBはTemperature Humidity Biasの略で高温・高湿・バイアス、つまり高い温度で高い湿度で高い電圧をかけての検査のことね。実際には温度85℃、湿度85%とか規定されているわけ。ウェハ(ウエーハ)状態での検査やパッケージングでの検査、外観検査、動作チェック、などいろいろ検査フローが規定されているよね。

business_woman3_1_question+新人D
すごいですね。何がなんやらわかりませんけど。これは該当するGroupの試験を行えばよいのですか?

icon_business_woman02先輩C
いや、ほとんど全て行うらしいのよ。例えば、Test Group Aって環境ストレス加速試験だし、Test Group Bは製品寿命シミュレーション加速試験、Test Group Cはパッケージングの完全性試験、……だからほとんどの製品に当てはまる項目だよね。

business_woman2_1_idea+新人D
えっ!全部ですか……。大変ですね。

icon_business_woman02先輩C
だから、AEC-Q100準拠っていうのは伊達ではないってことだよ。

business_woman1_4_ase新人D
はぁ~。

グレード?

business_woman3_1_question+新人D
AEC-Q100には「グレード」もあるんですが、これは何ですか?

icon_business_woman02先輩C
グレードは実際に使用される製品の温度範囲のこと。その温度範囲に合わせて試験しなさいということよ。さっき、温度が85℃と言ったけどそれはGrade 3だよね。高温、低温検試験の温度を表しているわけ。
Grade 0は試験周囲温度範囲が-40℃~150℃、Grade 1は-40℃~125℃、Grade 2は-40℃~105℃、Grade 3は-40℃~85℃と決められているよ。

Grade

business_woman1_1_smile+新人D
なるほど、これは動作周囲温度範囲と同じですよね。これは製品ごとに決められている定格値と同じなんですよね。

icon_business_woman02先輩C
そうね。製品の動作周囲温度範囲が-40℃~85℃なのにGrade 2(-40℃~105℃)なんてことはあり得ないよね。だから、グレード表記は省略されていることが多いよね。

business_woman1_1_smile+新人D
よくわかりました。ありがとうございました。

 

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あとがき
我々の製品がお役立ちできるような紹介ブログの第5回目です。
本記事で気になったことがあれば何なりとこちらからお問い合わせください。


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